静かな夕べ

軽く酔っぱらってただ何となく部屋を片付けていて思ったこと。


時間ができると部屋が散らかっているのが気になってしょうがない性分。A型の人は自分の部屋とか車は汚いなんて言われるけど自分は割と小奇麗に纏めている気がします。


子どもの頃、部屋や机が散らかっているのは全然気にもならなかったし寧ろその方が使いやすかった。それを父によく叱られてそれでもシカトしてたびたびしばかれました。

小さなアパート。子ども部屋なんてものは名前だけで衣類やその他がしまってある部屋が僕と姉の寝る部屋でした。姉が小学校に上がるとその狭い部屋に小さな学習机が置かれました。
僕が小学校に上がったときはそんなイベントはなく、いつも陽の当たらない廊下に置かれた父が使っていた壊れかけの机が僕のものになりました。僕はそこをプラモ置き場にして、たまにしかやらない宿題なんかは床で寝転がってやっていました。そんな感じで机を汚しちゃ怒られながら。

僕が小学校4年生になる年にウチは引っ越して自分の部屋ができました。本とかCDとか相変わらずのプラモなんかを散らかしておいてはまた叱られたもんです。たまる一方のCDに加えてギターやなんやらで混沌が進んだ頃には両親も諦めて何も言わなくなりました。


今日母から届いたメールによると痴呆が進んだ祖母は養護施設に入ることになりそうだとのこと。心臓が悪く、脳梗塞も起こしているので今は施設にも入れないで病院でリハビリしてるんですがね。施設に入るためのリハビリってのも切ない話ではありますが。

祖父がでっかい会社の重役さんだったので父に実家はいい場所のいい家なんですがそれも無人になってしまいます。って今も誰も住んでないんですが。
祖母は田舎のお嬢様育ちで、おまけに婿取りなので世間知らずなフシもあって近所との交流とかもほとんどなくって誰も気にとめてないかもしれませんが。

祖母はまっとうな思考が残っている間は今も無人で残っている秋田の実家に戻って静かに暮らしたいなんて言っては皆にたしなめられていました。長男である父が「あんな田舎クソくらえだ」って人なので嫡流の幼い僕に期待してたみたいで、僕も僕で秋田の大きな家にはいささか憧れがあったので俺に任せとけやみたいなこと言って親に怒られたのを覚えています。


漠然とではありますが金持ちとかデカイ家とかゴージャスな暮らしへの強い憧れはつい何年か前まで間違いなくあって、弁護士にでもなってたらふく稼いでやろうって気もあったのですよ。ホントにやりたいこととか自分の気持ちとか楽しい仲間や日常っていうもっと大事にしたいものに気付くまでは。

そして今僕は小さなアパートに住んで地道にやりたい仕事をして、楽しい日々を過ごしています。一番変わったのは誰に叱られるでもなく部屋をキレイにするようになった事で、あとは親戚にも古い友だちにも半ばからかって言われるくらいにこどもの時から変わってないみたいですが。